2019.09.13
第7回 工事監理から完成まで
第7回 工事監理から完成まで
目次
- はじめに
- 基礎工事から上棟までの 工事監理
- 屋根、外壁、内装の工事監理
- 植栽やカーテンなどの付帯工事
- 完成検査と引き渡しまで
1.はじめに
前回では、工事に必要な図面が揃い、工務店さんに見積もりをしてもらうのと同時に確認申請も無事に降りました。
金額もまとまって、工務店さんと契約も済み、さぁいよいよ着工です。
着工する時には、通常その土地の神様に建物を建てる報告を行う、「地鎮祭」を行います。
信仰によっては神式だったり仏式だったりキリスト教しきだったりと様々ですね。
地鎮祭については以前記事にまとめていますので、こちらを参照してくださいね。
2.基礎工事から上棟までの工事監理
いよいよ着工です。
まずは住宅の「基礎」から。
設計時点で地盤調査を行いますが、既設の建築物などがあって調査ができない場合は着工後建築物を取り壊してから地盤調査を行い、適切な地盤補強を行います。
建物の基本になる高さを決めたり、図面通りの基礎が出来上がるかチェックを繰り返します。
建物の位置を決めた時、鉄筋を組立てたとき、コンクリートを打設する時、それぞれ検査項目にしたがってチェックしていきます。
同時に建物の骨組みともいえる「軸組み」の施工図チェックを行っていきます。木造、鉄骨などで若干コツは違いますがしっかり監理することが肝要です。
基礎も出来上がり、軸組の材料も現場に搬入されると、「上棟」です。
昨今は上棟式という形をとることは少なくなりましたが、それでも建築物の一つの節目。いままで図面の中だけだったものが、実際に目の前に立ち上がります。
感動ですね。
3.屋根、外壁、内装の工事監理
骨組みができると、まずは屋根から工事を進めます。住宅を雨や日差しから守る大事な部分ですから、様々なチェック項目をしっかり監理していきます。
外壁の下地ができ、サッシが取り付き、同時に内装の下地ができていきます。
断熱材をいれ、外壁の仕上げ材をはりつけ、電気の配線や、給排水管のとりまとめなどなど、監理が最も忙しくなるのもこの頃です。
また、図面では表記のしずらい「色」や「質感」なども監理項目の大切な仕事。「白い壁」と一口に言ってもつるつるなのかザラザラしているのか、硬いのか柔らかいのか、白とは真っ白なのかわずかに暖色なのか、それとも少しグレーかかっているのか、こればかりは現物サンプルなどで確認しながら進めていきます。
4.植栽やカーテンなどの付帯工事
建築物本体とは別途ですが、最近はお庭の植栽や、カーテン、場合によっては置き家具などのコーディネートもおまかせいただくことが多くなってきました。
工事中に打ち合わせを進めて、工事期間の間に施工ができるように監理を進めていきます。
住宅本体と一体感のある植栽にカーテン、家具はやはり住宅をぐっと引き立ててくれます。
5.完成検査と引き渡しまで
工事がほぼ完成しても、監理の仕事は続きます。
建物を建てる前に「建築確認申請」で設計された建築物が適法であることを「確認」しました。今度は完成後、図面通り適法な建築物が建っていることを「確認」します。ここをクリアすると、出来上がった建築物も適法であることが担保され、金融機関のローン実行やその後の火災保険への加入、各種補助金申請への証明と様々に利用することができます。
また、法的な検査の後、建物に傷や見落とし箇所が無いかを住み手の方と共に検査する「設計事務所・施主検査」を行います。
その後、指摘事項があれば手直し工事を経て、完成へと至ります。
ご協力頂ける場合はオープンハウスもね。
お引渡しは住み手と工務店、設計事務所の3者が揃って行います。所定の書類を交わし、最後に建物の鍵を引き渡します。
こうなると、設計者の自分でも立ち入ることはできません。寂しいような嬉しいような、何度経験しても心を動かされる瞬間です。
7回にわたって、ぼくたちツジデザイン一級建築士事務所のしごとの流れを解説させていただきました。
実際には、引き渡しが終わってもずっとメンテナンスでお付き合いが続きます。