2022.12.31
本のこととか2022
い、一年がはやい…。
ありがたいことにこの数年ずっと忙しくさせていただいていて、本を読む数が激減している昨今。
例年恒例の今年一年読んだ本などでこれはというものをご紹介していきます。
誰がこの記事読んでるのかはわかりませんが…
若干少なめ…。
2021年のまとめ、2020年のまとめ、2019年のまとめ、2018年のまとめ、2017年のまとめ はこちら。
自然化学:彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学
キース・クーパー著/斉藤隆央訳
地球外知的生命体を探索する、SETIに関する最新の知見をまとめた本書。
そもそも、我々の天の川銀河内に文明を持つ知的生命体はどの程度存在しているのか、またその文明が存続する期間が人類の存続する期間と重なりうるのか、そして仮にその条件を満たしていたとして本当に恒星間航行が生命体の実存時間内で可能な技術的特異点をクリアできるのか。
なにより、もし人類は孤独ではないとしたら、なぜ今現に異星人は地球にいないのか。
つまり、異星人は存在しないのではないか。
このパラドックスをフェルミのパラドックスと言うらしい。
それでも多くの人が異星人の存在を信じ、探索を続ける意味とは?
さみしがりやのあなたへの一冊。
小説:星の王子さま
サン・テグジュペリ著 池澤夏樹訳
長く親しまれてきた内藤濯訳の星の王子さまを、フランス文学研究者の池澤夏樹が新訳したもの。
ところどころふるく読みづらい部分もあった内藤版を、より原著に近いイメージで翻訳に務めたという。
常に空にあこがれたテグジュペリ。現代に生きていればきっと宇宙にも興味を示したに違いないと思ったので、最初にあげた彼らはどこにいるのかと併せて。
さらに、下の平家物語の原作も池澤夏樹編の日本文学全集からなのでこちらを選著。
肝心なことは、目に見えない大人になったあなたへ。
歴史建築:日本建築史講義
海野聡 著
学生の頃は退屈だった日本建築史の授業。
今年は京都や伊勢神宮へ出かけたり、平安鎌倉時代のドラマやアニメをみたりしたからか、どうにも気になって仕方がない。
古墳時代から仏教伝来、国家の形成に伴い貴族住宅、寝殿作りを経て書院作りへの遍歴を辿る。
一緒に彰国社の日本建築史図集もご一緒に。
神社でつい組物の手先を数えてしまうあなたへ
社会:「利他」とは何か
今年は何かと利他と利己を考える年でもありました。
「利他」とは何か。タイトル通り、利他をさまざまな著者の視点で論ずる。
利己的な利他。本質的な利他は実在しうるのか…。
こんな社会情勢だからこそ、もう一度「利他的であること」を考えてみたい。
■映像:平家物語
監督:山田尚子×脚本:吉田玲子×キャラクター原案:高野文子の完璧な布陣に、製作は映像研も作ったサイエンスSARU
終始儚げな色使い、画面構成で平家滅亡までを描く。
上記の日本建築史講義ともリンクして、また世界の解像感が高まった…。
今は平安鎌倉時代がアツイあなたへ
あいも変わらず、ジャンルもバラバラでとっちらかった選書。
来年はどんな本に出会えるかな!(その前に積みを減らせ)
それでは、みなさま良いお年を!