2016.06.01
シリーズ 住宅ローンの基礎知識 その2 フラット35の解説
岐阜の建築設計事務所ツジデザインの辻です。
第2回 フラット35の解説
目次
- はじめに
- フラット35の特徴
- フラット35の条件
- フラット35の借入額と返済期間
- フラット35利用時の注意点
1.はじめに
第一回ではおおまかな住宅ローンの種類を解説しました。
今回から、代表的な住宅ローンについて個別の解説をしていきます。
まずは2回にわたり、低金利時代には魅力的なフラット35とフラット35Sについて解説していきたいと思います。
2.フラット35の特徴
フラット35は、住宅金融支援機構による住宅ローンの証券化スキームを活用したもので、民間金融機関で取り扱いをしている長期固定金利の住宅ローンです。
大きな特徴として
- 最長35年間の長期固定金利
- 最高8000万円(ただし必要資金の10割まで)
- 保証料、連帯保証人も不要
- 住宅金融支援機構の定める技術基準に適合した住宅であること
などの特徴があります。
以下、条件などを解説していきましょう。
3.フラット35利用の条件
フラット35を利用するには、以下の条件が必要となります。
利用者の条件
- 申し込み時の年齢が70歳未満、かつ日本国籍の人、または永住許可を受けている人
- 年収に占める(フラット35も含む)すべての借入が、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下であること。
用途の条件
- 本人が所有し、本人または親族が住むための新築住宅、または既存住宅購入のための資金
- 借り換えにも利用可能
- リフォームには利用不可
- 連帯保証人も保証料も不要
物件の条件
- 一戸建ての場合床面積が70㎡以上、共同住宅の場合は30㎡以上
- 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合し、かつ建築基準法で定められた検査済み証が交付されていること
- 土地を含めた建設費が一億円以下(消費税も含む)であること。
4.借入額と返済期間
- 100万円以上8000万円以下(土地取得費含む)
- 15年以上35年以下、または年齢が80歳になるまでの年数のうち、いずれか短い期間。
- 金利は全期間固定金利
5.フラット35利用時の注意点
以上のように、比較的使いやすい商品設計となっている反面、金融機関での住宅ローンと違い、フラット35ならではの部分もあり注意が必要です。
- 団体信用生命保険(団信)の加入は任意で、加入する場合は別途特約料がかかる。(金融機関でのローンの場合、金融機関が負担)
- 取り扱う金融機関によって、事務手数料が異なるため注意。
- 住宅金融支援機構の定めた技術基準に適合する必要があるため、設計段階から対応が必要。概ねハイグレードな仕様となる。
特に団信への加入については、よく考慮する必要がありそうです。
また、技術基準に適合させることで住宅価格が上がったり、書類作製費などがかかるため、金利や手数料等比較検討が必要です。
フラット35についての解説、いかがでしたでしょうか。次回はフラット35の上位版、フラット35Sについて解説したいと思います。
(書き手 辻 秀易)