2026.03.10
無垢材最高? ― 価格・性能から考える床材選び ―

岐阜の建築設計事務所ツジデザインの辻です。
フローリング無垢材最高?
― 価格・性能・床暖房適合から考える床材選び ―
住宅の印象を大きく左右する「床」。
住宅のなかでも壁や天井に次いで大きな面積をもち、ほぼ常に身体に触れる部分です。
素材によって、空間の雰囲気も、使い心地も、将来のメンテナンスも大きく変わります。
やはり無垢フローリングが一番!と以前は僕もそう考えていました。
今回は、安価なものから高価なものまで床材のなかでもフローリングに注目して解説します。
① オレフィンシート系カラーフロア

■ 特徴
いわゆるカラーフロア。木目柄を印刷したオレフィンシートを基材に貼ったもの。
現在の分譲住宅や建売で多く採用されている、たぶんいちばんよくみる床材。
■ メリット
-
価格が最も安価
-
色柄の選択肢が非常に豊富
-
均一な品質
-
傷や汚れに強い製品が多い
■ デメリット
-
経年変化の味わいは出にくい
-
補修は部分交換になることが多い
-
触感はやや人工的
■ 床暖房との相性
◎ 対応製品が多く、安定性も高い。
ツジデザインでは、2階の個室などに使うことはありますが、リビングなど主要な部分に使うことは少ないです。
② 天然木突板フローリング(約0.2〜0.5mm)

■ 特徴
ごく薄い天然木を合板基材に貼ったもの。見た目は天然木そのものです。
■ メリット
-
天然木の質感を比較的リーズナブルに実現
-
寸法安定性が高い
-
反りや伸縮が少ない
■ デメリット
-
表面が薄いため、深い傷の補修は難しい。
-
研磨再生は基本不可
■ 価格帯
中価格帯(カラーフロアより高く、無垢より安い)
■ 床暖房との相性
◎ 合板基材のため安定しやすく、床暖房対応製品が多い。
当社でも多く採用されるフローリング材。質感自体は貼ってしまえば無垢材との見分けはプロでないとわからないかも。
③ 厚貼突板フローリング(約1〜3mm)

■ 特徴
1mm程度の厚めの天然木を貼ったもの。質感と実用性のバランスが良い。
■ メリット
-
ある程度厚みがあるので、天然木らしい表情で、経年変化も楽しめる。
-
軽微な補修が可能
-
無垢より寸法安定性が高い
■ デメリット
-
安価とは言い難い。
■ 床暖房との相性
○~◎ 対応品が多く、実務的には扱いやすい。
当社でもよく採用するタイプ。天然木の部分がある程度厚みがあるので、質感はぐんと上がります。
⑤ 無垢フローリング

■ 特徴
中まで同一材の一枚板。もっとも「素材そのもの」と言える床材。ただし、グレードもさまざまで安価なものから高価なものまで幅広い。
■ メリット
-
無垢フローリングそのものなので、質感は高い。
-
経年変化を楽しめる
-
研磨再生が可能
-
調湿作用がある
- 樹種によっては安価
■ デメリット
-
高品質なものは高価
-
反りや隙間が出やすい
-
良いも悪いも材質に品質が左右される。
-
樹種によっては傷がつきやすい、節が出る、反りが激しいなど。
■ 床暖房との相性
×
無垢は伸縮が大きいため、床暖房には不向きな場合が多いです。「床暖房対応」と書かれていても、多少の反りや隙間はでてくるので、当社では床暖房を採用する場合は無垢フローリングは禁止。
無垢は「絶対」なのか?
以前は、やはり僕も無垢フローリング!と考えていました。
確かに質感は高く、表面を削って再塗装することで新品同様になる。
しかし、床フローリングに適する木材のほとんどは、輸入品。なかには過剰な伐採で、資源量が急減している樹種もあります。
ある樹種が伐採禁止になると、隣の国の近縁種を伐採、またなくなれば伐採。そこに持続性はありますか?
突板フローリングにすれば、おなじ資源量でもはるかに多くの面積をまかなえるフローリングにできます。
また、昨今の価格高騰で、住宅価格は10年前の1.5倍以上になっています。
さまざまなバランスを考えて、床材を選んでいけるとよいですね。
価格イメージ(目安)
| 種類 | 価格感 | 質感 | 床暖房適合 |
|---|---|---|---|
| オレフィンシート | ★★ | 人工的 | ◎ |
| 突板0.2mm | ★★★ | 天然木 | ◎ |
| 厚貼突板 | ★★★★ | 良い | ○~◎ |
| 集成材 | ★★★★ | 天然木 | ○ |
| 無垢 | ★★〜★★★★★ | 良い | × |
※★は相対的な目安
最後に
床材選びは「素材の優劣」ではなく、
その家の性能計画と暮らし方に合っているかどうか
で決まります。
無垢は魅力的ですが、無垢じゃないとだめ」ということではありません。
床暖房を入れるのか。
長期的な安定性を優先するのか。
素材感を最優先にするのか。
家づくりの時に、提案された床材そのままを受け入れるのもよいですが、ちょっと立ち止まって考えてみてもいいかもしれませんね。
岐阜の建築設計事務所、株式会社ツジデザインは住宅を中心に、建築の設計監理を行っています。
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