2026.01.30
玄関のマテリアル

岐阜の建築設計事務所ツジデザインの辻です。
玄関のマテリアルと、設計で意識したこと
この住宅の玄関では、「素材」「高さ」「光の重心」を強く意識して設計しています。
玄関は単なる通過点ではなく、
外から内へ、気持ちと身体を切り替えるための最初の居場所です。
だからこそ、派手な演出よりも、触れたとき・座ったとき・立ち止まったときの感覚を大切にしました。
天井:ベイツガ羽目板で包み込む
天井にはベイツガの羽目板を採用しています。
玄関に入った瞬間、上部に木の表情が見えることで、空間全体がやわらかく感じられます。
展開図で見ると分かる通り、天井高さはあえて抑え気味に設定しています。
吹き抜けや高天井にせず、包み込まれるようなスケール感にすることで、外から内へと気持ちを落ち着かせる効果を狙いました。
壁:ほんのりグレージュで素材を受け止める
壁は白ではなく、わずかに色味を含んだグレージュ。
木や真鍮の色を引き立てながら、主張しすぎない背景として機能します。
照明が当たったときの陰影も、この色味だからこそやわらかく出ます。
照明:光の重心を低くする
玄関の照明は、真鍮製の壁付ブラケット。
天井照明を主役にせず、あえて低い位置に光を置くことで、空間の重心を下げています。
これにより、
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玄関が落ち着いて見える
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座ったときの視線と光が自然に重なる
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夜の雰囲気が過度に明るくならない
といった効果があります。
ベンチ:靴を脱ぐ動作と、和室への導線をつなぐ
玄関には、ピーラー材でつくった造作ベンチを設けています。
靴を脱ぎ履きするための腰掛けでありながら、和室へ上がる動作とも自然につながる高さと奥行きを検討しました。
展開図では、床・ベンチ・壁・照明の位置関係がはっきり分かりますが、
実際の使い心地は「考えたことを感じさせない」くらいがちょうどいいと考えています。
玄関は「設計思想が最も表れやすい場所」
玄関は面積こそ小さいですが、
素材の選び方、寸法の積み重ね、光の扱い方など、設計者の考えがもっとも濃く表れる場所です。

この住宅の玄関も、
特別なことをしているわけではありませんが、
一つ一つを丁寧に積み重ねることで、静かで居心地のよい空間になったと感じています。
岐阜の建築設計事務所、株式会社ツジデザインは住宅を中心に、建築の設計監理を行っています。
新築、リノベーション、テナントに限らずお気軽にご相談ください。
愛知、岐阜、三重を中心に、全国どちらでも対応可能です。
フラット35S、長期優良住宅、ZEHなども。

愛知、岐阜、三重で建築設計監理 ツジデザイン一級建築士事務所















