2021.12.31
本のこととか2021
あれ…まだ先月くらいゴールデンウィークじゃなかったでしたっけ?
というくらい、あっという間の一年でした。皆様、どんな一年でした?
というわけで、毎年恒例になりつつあるその年読んだ本やなんかで印象に残ったものをご紹介する今年最後のブログ更新。
今年は全く読めなかったので、少なめ…
2020年のまとめ、2019年のまとめ、2018年のまとめ、2017年のまとめ はこちら。
■自然科学
禍いの化学 正義が愚行に変わる時 /ポール・Aオフィット 日経ナショナルジオグラフィック社
禍いの科学。
人を苦痛から救い出す神の薬アヘン、バターに変わり心臓病を減らせるマーガリン、人類最大の発明のひとつフリッツ・ハーバー法、欠陥のある人間を間引いていけばいつか優れた人類のみが生き残る優生学、環境問題に陽の目をあてた反農薬。
2021年に生きる我々は、上記の発明がすべて輝かしいものではなかったことを知っている。
しかし発明当時は輝かしく、人類を照らす太陽のように扱われていた。
この教訓から、現代の我々が得ることはなんだろう。
科学は万能ではないが、それでも一歩ずつ「より」科学的に。
ニトログリセリンがどれくらい甘いのか食べてみたいなと思ったことのあるあなたへの一冊。
■本について
ぜんぶ本の話 /池澤夏樹 毎日新聞出版
池澤夏樹とその娘、池澤春菜が語る「ぜんぶ本の話」
福永武彦の息子としての夏樹、池澤夏樹の娘としての春菜、世代を超えて継がれる本読み家系の父娘はいかにして本と付き合ってきたのかを語りつくす。
児童書、少年小説、SF、そして祖父と父の小説。どれも読みたくなってくると同時に、その読書量にも驚かされる。
活字中毒なあなたへの一冊。
■コーヒー
コーヒーで読み解くSDGs
また新しいカタカタ言葉でお茶を濁そうとしている…ではなく、この本の主題はコーヒーだ。
SDGs自体の是非はここでは問わない。最高レベルに環境負荷が高く貧困の解決ともほど遠い軍事についての言及が無いのはできる限る多くの国の賛同を得るための苦肉の策だったことは理解する。
本書では、コーヒー農園を主軸に貧困からの脱出、新技術による環境負荷の低減などSDGsの面からこの20年余りを辿る。
記憶に新しいコーヒー危機もなるほどこうして脱出したわけだ。
代わりにほんの10年前まで高品質な豆の代名詞だったイエメン産は見かけなくなってしまっている。
貧困は紛争の種であることを考えれば、多少のおためごかしであれSDGsを無視などできないでしょう。
カフェインが切れると手が震えるジャンキーなあなたへの一冊。
■映像
シン・エヴァンゲリオン劇場版とか
完結した…。それ以上の感想が出てこない。この20年で庵野監督の中でも作品を完結させる責任のようなものに対する考えも変化があったのだろう。新劇場版の4作はどれも明確に旧TV版と目線が違う部分が見受けられた。
僕たちもようやくエヴァの呪いから解放される時が来たようだ。
そして、断たれた三冠の夢、度重なる骨折、ライバルのメジロマックィーンとの再戦を目指し復帰が決まった直後、三度目の骨折。
心折れ引退を決めたトウカイテイオーの前に現れるツインターボのくだりで号泣からのメジロマックィーンとの約束でまた号泣。
ラスト、一年ぶりのレース有馬記念でのビワハヤヒデとの一騎打ちからの号泣と目の乾く暇がありませんでした。(なんの話だ)
諦めたくないあなたへの一作。
今年はとにかく大きな節目となる一年でした。仕事量、仕事の質、健康、家族との別れ、行き着く間もなく過ぎ去っていきました。
何年か経てば武勇伝になるのでしょうか。
来年はもう少しだけ余裕を持ちたいですね。
それでは、みなさま良いお年を!