日日是好日を見てきました

お茶を通して世界を見れば、日日是好日。

主演の 黒木華 、名前くらいしか存じ上げませんでしたが、20代から40代と20年以上の月日を演じ分ける名演。

画面全体、控えめの彩度と一段明度を下げた落ち着いた絵作りのなかに、椿の赤や季節ごとの菓子の鮮やかさがまた光り輝きます。

季節のように生きる。

映画に添えられたコピーです。

身を切る寒さに震え、梅雨の雨音に耳を傾け、夏の暑さに汗を滴らせ、秋の夕陽に目を細める。

一年一年、毎年同じことの繰り返し。でも、それが良い。

終盤、「世の中にはわかりやすいものとわかりにくいものがある。わかりにくいものは、何度も繰り返して覚えていくしかない。」という台詞があります。

お茶に限らず、どのような世界であれ「型」をなぞることから始めてひたすら愚直に繰り返すことで、見えてくるものもあるでしょう。

型ができていて、それを破るのが型破り。型もできていないのに型から外れるのは型無し。そんな事を言った歌舞伎役者もいましたね。

僕もまだまだ、型を繰り返す必要がありそうです。

そして、これまで数多くの映画に出演し、その存在感で圧倒していた樹木希林さん。お疲れ様でした。