2022.04.23
紛争木材とウッドショック第2波
岐阜の建築設計事務所ツジデザインの辻です。
まず大前提として、当社は暴力による現状の変更を強要するあらゆる戦争に反対します。
木材の高騰が止まりません。
昨年の今頃、ウッドショックのニュースを目にした方も多いのではないでしょうか。コロナ禍に端を発したウッドショックで、おおよそ2倍に高騰した木材は昨年夏を過ぎ1.8倍程度の高止まりのまま。
さらに今回の侵略戦争によって、ロシア、ベラルーシを由来とする木材は紛争木材であると宣言されました。
ロシア、ベラルーシは森林認証機関のうち、世界の12.5%に相当する広大な森林を有します。
ついで、EU圏、米国は経済制裁としてロシアからの木材輸入をストップ。これを受けロシア側でも非友好国リストにはいった国に対して木材を加工したチップなども含め禁輸措置をとりました。
欧州、米国では自国内での需要を満たせなくなり、結果として日本への輸入が激減することとなります。
本格的な供給減や高騰はこれからと予想されます。
国内の林業は長く続いた輸入材主流の流れから疲弊していて、増産に対応できる体力はありません。
さらに原油高と円安が追い討ちをかけ、木材価格は予測不能の局面に達していくと思われます。
建築は大きな転換点を迎え、いままでと大きく意識を変えて取り組む必要性がありそうです。
そしてなにより1日も早く理不尽な暴力が消え去るように。