2019.07.04
老後2000万円のはなし 第三回 考えられる対応

お金のこともっと勉強しろってさ。
というわけで、ワイドショーやSNSで話題の老後2000万円問題。
金融庁内の調査審議機関である、金融審議会が発表した市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」という文章の解説、最終回。
金融庁なりに、こうしたらいいんじゃね?という提言をまとめた章となっています。これをやればもう安心!というものではないことに注意しましょう。
第三回 考えられる対応
1個々人にとっての資産の形成・管理での心構え
ここだけポイント!投資の勉強をしよう。高齢者はボケる前提で準備したほうがいいよ。
1)現役期
- 早い時期から資産形成の有効性を認識すること。
- 長期、積立、分散投資をしよ。
- ライフプラン、マネープランを考えよう。
2)リタイヤ期前後
- 退職金があるならライフプラン、マネープランを再検討しよう。
- まだ30年生きるかもしれないので、計画的に資産を取り崩していこう。
3)高齢期
- 衰えを認めマネープランを組む
- 認知判断能力の喪失に備えておく。
2金融サービスのあり方
銀行や投資信託会社、各種団体に対しての提言をしています。各個人には関係が薄いので、省略。詳しくは原文を読んでみてください。
3環境整備
ここだけポイント!つみたてNISAとiDecoを使おう。いまんとこほとんど使われてないよ。お金のこともう少し勉強しよう。
ア)資産形成・資産継承制度の充実
- つみたてNISAとiDecoを利用しよう。
- いまのところ利用しているのは国民のごく一部。
- つみたてNISAについて次元撤廃して恒久的措置を強く提言。
- 高齢者の住宅資産を有効活用できる環境整備を提言。
イ)金融リテラシーの向上
- 国民の金融リテラシー向上を提言。
- 企業にも、社員に対して金融リテラシーを向上にむけて取り組むよう提言。
ウ)アドバイザーの充実
- 現状では、金融機関が一番身近なアドバイザー。
- 第三者的に総合的なアドバイスができる立場が求められる。
- 米国ではそうしたアドバイザーに相談するのは一般的。
エ)高齢顧客保護のあり方
- 高齢者は判断能力が落ちるので、複雑な金融商品など一定制限を提言。
- 本人が望んだ場合、認知能力の喪失後も資産運用を続けられるよう提言。
まとめ
以上が、金融審議会市場ワーキンググループの「高齢社会における資産形成・管理」報告書の第三章、考えられる対応の内容です。
国民個々人だけでなく、銀行や証券会社、行政にまで提言の幅を広げた思い切った内容となっています。
特につみたてNISAの恒久措置への提言はメリットも大きいのでは。
このように、老後に2000万円必要なパターンは、65歳の夫婦が定年後即仕事を辞めその後無職のまま95歳まで生きることが前提というとても狭い範囲での事例だということがおわかりいただけると思います。
都市部と地方の格差、有休不動産の活用などこの報告書では触れられていない事項もありますが、概ね現状を正しく把握し、現実的に今後を生き抜く良い文章だと感じました。
ぜひ、原文も読んだうえで僕の書いた文章なんか鵜呑みにせずご自分でも考えてみてくださいね。
ツジデザイン一級建築士事務所