2019.02.20
失敗の科学

失敗の科学
原題はBlack Box Thinking.
人が、組織が、国家が。失敗を犯した時に、どう反応するのか、反応してしまうのか、そしてそこから学ぶには。
15〜18世紀の停滞の世紀を経て、ここ3世紀ほどで人類は飛躍的に進歩を遂げた。星の数ほどの失敗から人類学び進歩を遂げたメカニズムを解き明かす本書。
最初に航空機業界の徹底した失敗から学ぶ姿勢を。次に医療業界の閉塞しきった姿勢を例にあげる。
失敗がなかったものと「信じ込んで」しまう心理、単純化され興味深く脚色された物語は真実を覆い隠し、犯人探しは目を曇らせる。
章を読み進めるにつれ、最近様々に報道され、徹底的に犯人探しを追い詰め、新しいサンドバックが現れると何事もなかったかのようにそちらを叩き始める。そうした風潮が、なぜ行われるのかが、まさに書かれていて暗鬱とした気持ちにさえなる。
最終章の「失敗は災厄ではない」に救われる。
組織だけでなく、個人の失敗にも十分適用可能な内容。
次失敗した時、学べるかはそれぞれの人次第!
良書。