2018.11.09
第2回 住宅の外壁について
第2回 住宅の外壁について
−窯業系サイディング−
目次
1.窯業系サイディングってなに
2.窯業系サイディングの特徴
3.性能について
4.メンテナンス性
5.総合評価
1.窯業系サイディングってなに
窯業系サイディング。そもそもなんて読むの!という方も多いと思います。ようぎょうけいさいでぃんぐ。
巷にあふれる住宅の多くが、この窯業系サイディングを外壁仕上材としています。
窯業系サイディングとは、セメントを主材としたものを板状に延ばし塗装などの仕上げを施した外壁材の総称です。
タイルの模様や、木目、コンクリート調などのフェイク系から、シンプルなラインや幾何学模様の入ったもの、塗装を前提とした素地のものなど様々です。
2.窯業系サイディングの特徴
窯業系サイディングは上述の通り、製品状態ですでに塗装が施されていて、外壁の下地に釘、もしくは専用金物で留め付けると同時に、仕上げまで兼ねます。
したがって、コストパフォーマンスに長け、また工場塗装品のため品質も安定しています。
スタンダードな14mmから高級ラインの20mmを超える厚みのものまで製品層が厚く、お好みにもよりますが、タイル調や木目調などのデザインも豊富です。
私達のような、設計事務所の場合フェイク柄がプリントされたサイディングを使うことはまずありませんが、素地板やシンプルなカラーなものなどは充分使うことができます。
3.性能について
工場で大量生産される窯業系サイディング。品質が安定していることが高性能を担保しています。
基本的にはセメントなので、防火性能も高く比較的簡単に防火構造を取得することができます。
曲げや衝撃にも比較的強く、多少のことで割れるようなことはないでしょう。
以前はスタンダード品は12mmの厚みで、ねじれて割れるようなことが多発したようですが、現在は14mm品が標準となってそうした事故も減ったようです。
4.メンテナンス性について
窯業系サイディングのメンテナンス時期=継ぎ目のシーリングと表面塗装の寿命と言い換えて差し支えないでしょう。
外壁の痛みは、雨のかかり具合、日射や振動etc様々な要因が絡み、同じ住宅でも北面と西面の痛みが著しく異なるようなことはもままあります。
窯業系サイディングは60cm×300cmの板を張り合わせているため、かならず継ぎ目が出てきます。通常、そこにはシーリングという弾力性を持ったシリコンゴムを充填して水が入るのを防いでいます。
そのシーリングが経年劣化で機能低下を起こします。
条件にもよりますが、早いと数年で劣化することもなくはありません。
外壁の塗装の劣化も雨や紫外線によって起こります。
おおざっぱですが、手で触ってみて塗装の粉が手につくようであれば、そろそろ塗り替えの時期です。
5.総合評価
※あくまで私個人の評価です。★の数で三段階!
コスト 製品の幅が広いため、★〜★★!
美観 お好みにもよるけど、★〜★★
性能 製品安定度や通気工法の確立、防耐火性能で文句なく★★★
メンテナンス性 ジョイント部のシーリングさえ気をつければ★★
窯業系サイディングの解説、いかがでしたでしょうか。
自身が外壁に求めるものが、どこにあるのか参考にしていただければと思います。
■次回予告
第3回 金属系サイディング