ツジデザイン一級建築士事務所

辻のおはなしTsuji’s Blog

辻のおはなしでは、ツジデザインのプロジェクトの進捗や僕達の価値観にまつわるさまざまなコト、
モノについてとりとめなく書いていく小文です。
また、一般の方にわかりにくい用語の解説や家づくりのあれこれなどの知識も、
わかりやすくまとめていきます。

2018.09.14

第1回 住宅の外壁について

外壁のおはなし

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第1回 住宅の外壁について
−我が家にはどの外壁が良いの?−

目次

.はじめに

.外壁の法的規制

.外壁の種類 スタンダード編

 

1.はじめに

このシリーズでは、木造住宅の「外壁」について解説してみたいと思います。
外壁は建物の外観上重要な要素なうえ、面積も大きくコストも様々です。美観やコストのほか、性能やメンテナンスについても気を配って最適な外壁材を選択していくことが大切ですね。
第1回目は「外壁」の基礎知識とおおまかな種類について解説したいと思います。

 

2.外壁の法的規制

「外壁」の選択する前に、法的な制限を確認しましょう。
木造住宅を建築する敷地には「防火指定」のある地域とない地域があります。
詳細な解説はここではしきれませんので、都度ご相談ください。

■防火地域 最も厳しく制限を受ける地域です。都市部でも建築物が密集した、中心部に指定されています。外壁に対する要求も大変厳しくなります。

■準防火地域 厳しく制限を受ける地域です。都市部に指定されていいます。外壁の選択に注意が必要です。

■法22条地域 防火指定のされていない地域でも、建築物の延焼を避けるため指定されている場合があります。岐阜市は防火指定のない地域も全域22条地域となります。延焼のおそれのある範囲は防火構造以上の性能が必要です。

上記の3つのうち、自分の建設予定地がどこに属しているのかは、不動産屋さんの重要事項説明を見る、もしくは行政の建築指導課に問い合わせることでわかります。

建物の構造、規模、敷地条件によっても要求性能は変わりますので、詳しくはご相談ください。

 

 

3.外壁の種類

さまざまな種類の外壁材料がありますが、ここでは一般なものを簡単にご紹介します。

■窯業(ようぎょう)系サイディング

タイルや木目などが印刷された、外壁用のボードです。
セメントを板状にして、オートクレーブ養生(おおざっぱに言えば蒸してます)したものに、塗装を施した製品で、釘や金物でとめつけるだけで仕上げも兼ねるため、工期も短くできるます。建売住宅などではこれがスタンダードです。

■金属系サイディング

亜鉛メッキをほどこした0.35〜0.5mmほどの鉄板に、塗装を施した外壁材。
通常、下地に釘で止め打ちます。
軽く、工期も短く、コストパフォーマンスに優れます。
こちらもよくみかける外壁材ですね。

■木材

15mm〜18mmほどの木材の板を一枚ずつ貼っていく外壁材。
通常は、そのうえに保護塗装をします。
樹種にもよりますが、木材自体はそれほど高価ではありませんがその上に塗装工事が必要となり、割高になります。
また、防火構造などの要求がある場合にはさらにひと手間かかります。
とはいえ、その見た目や手触りから、いまでも人気のある外壁材です。

■湿式モルタル壁 

近年では建売などではほとんどみかけなくなりました。
木摺のうえに、セメントと砂を混ぜたモルタルを15mm〜20mmほどの厚みで塗りつけ、そのうえから更に塗装やしっくいなどの左官で仕上げます。
工程も多く、手間も養生期間もかかり、仕上げ塗装が必須なことから高価になります。
その風合いの魅力は捨てがたく、手堅く人気です。

■窯業系サイディング大壁工法

前述の窯業系サイディングの応用。
プリントサイディングでは必ず継ぎ目が現れますが、同じ窯業系サイディングを使い、目地をパテでつぶしたうえで、塗装や左官材で仕上げる外壁工法。
湿式左官壁と近似した仕上げをほどこすことができ、湿式壁では避けられないクラックもすくなるできる。
が、サイディング工事のうえ、目地をつぶし塗装を施すため高価。

■ガルバリウム鋼板葺き

前述の金属サイディングとベースになる材料は同じです。亜鉛メッキされた鉄板を、板金職人が加工して、外壁に張り上げていきます。
金属系サイディングと比較して、デザインの自由度は広がり私達のような設計事務所との相性も良いです。
壁としての耐久性はガルバリウム鋼板のままなので、メンテナンス性も良好。
既成品ではなく一枚ずつ加工するため、高価。

■窯業系サイディング+乾式タイル貼り

前述の窯業系サイディングを下地として、そのうえに焼き物タイルを貼り付けていく工法。
タイルは磁器質のため耐久性も高く美観にも優れます。昔のようにはがれることもほとんどありません。
が、やはり高価。

おおまかですが、こちらで紹介した外壁材料で木造住宅の9割ほどはカバーできていると思います。
美観、コスト、性能、メンテナンス性、全てを高いレベルで実現する材料はやはり高価ですし、メンテナンスが不要な魔法の材料はいまのところ、存在しません。
ご自分は、住宅の外壁にどの性能を求めるのか、よりよい選択のために、ここから数回にわたってそれぞれの特徴をもう少し詳細に解説してみたいと思います。

■次回予告
第2回 窯業系サイディング

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